体の一部のように骨と結合し使うことができるインプラントも、天然歯と同じように寿命があります。
インプラントの寿命がどの程度で、長く使い続けるためにはどうすればいいか解説します。
目次
■インプラントに寿命はあるの?
◎インプラントは3つの構造からできている
インプラントは3つの構造から成り立っています。
3つとは、歯根の部分にあたるインプラント体、その上にある結合部のアバットメント、外から見える人工歯部分である上部構造です。
インプラントの埋入処置とはこの歯根部分にあたるインプラント体を骨に埋め込む処置のことを指します。
インプラント体が骨と結合した後に、上にアバットメントと人工歯をつけ咬合を回復させます。
◎インプラント体が脱落した時が寿命
インプラントの寿命はこのインプラント体が脱落した時とされています。
だいたい90%以上の方が10年以上使えるため、インプラントの寿命は一般的に10年とされています。
きちんと手入れをして使うとそれ以上持つことも多くあり、中には40年以上使い続けられたインプラントもあります。
■修理と再治療
◎アバットメント、上部構造の破損
アバットメントや上部構造が破損してしまっても、修理で回復させることができるケースが多いです。
もし脱離してしまっただけであれば、歯科医院で戻せる可能性もあるため必ず保管し、歯科医院に持参しましょう。
◎インプラント体の破損、脱落
インプラント体が脱落破損してしまうと、それはそのインプラントの寿命となり再手術の必要があります。
■なるべく長く使うために
◎定期検診に通う
なるべくインプラントを長く快適に使うために定期検診に通いましょう。
定期検診ではインプラント体周りの清掃だけでなく、余分な力がかかっていないかなどの検査、歯槽骨が下がってきてないかなどが分かるレントゲン撮影も行います。
定期的にチェックしておくことで、インプラントがどのような状態が把握でき、何かトラブルがあれば早期発見、早期治療を行うことができます。
◎保証について確認しておきましょう
インプラント治療は、埋入手術だけでなくその後のケアがとても重要です。
そのため保証期間が10年あったとしても、その後定期検診に通わなければ、その保証の一部が受けられないという歯科医院も多くあります。
保証内容をきちんと確認し、何かあった時に保証をきちんと受けられるように定期検診に通うことが大切です。
◎きちんと清掃を行う
インプラントが早期に脱落してしまう原因はたくさんありますが、セルフケアの中で注意していただける点は、やはりきちんとした清掃を行っていただくことです。
インプラントは天然歯と違い、直接歯槽骨と結合しているため、もし歯周病と同じように内部に菌が入ってしまうと、天然歯の時よりとても早く炎症が波及してしまうという特徴があります。
これをインプラント周囲炎と呼びます。
インプラント周囲炎を起こさないためにも、インプラント埋入したらセルフケアをより注意して行い、長く快適にインプラントを使いましょう。
【インプラントをできるだけ長く快適に使えるように】
インプラントは天然歯ととても近い見た目や機能を回復させることができる画期的な治療法です。現在、一般に広く行われるようになり、技術の向上や改良などにより、今後もますますインプラントの安全性は増し、寿命は伸びていくと考えられます。
大切に使えば体の一部として多くの時間機能してくれるインプラント。
セルフケアとプロフェッショナルケアを的確に行い、できるだけ寿命を伸ばせると良いのではないでしょうか。