歯を失ってしまった場合、インプラントという治療法があります。インプラントとは、顎の骨に人工のインプラント体を埋め込み、その上に上部構造と呼ばれる人工歯をかぶせる治療方法です。インプラントは、見た目も機能性も本来の歯とほぼ変わりなく使えるというメリットがあります。
しかし、インプラント治療は保険適用外となるため、費用が高額になるというデメリットもあります。そこで、インプラント治療を受けたい方にとって、知っておきたい制度があります。それが、医療費控除です。
医療費控除とは、確定申告の際に、一定の条件を満たした医療費を所得から控除できる制度です。医療費控除を受けるには、自分で確定申告を行う必要がありますが、正しく手続きをすれば、インプラント治療の費用の一部が還付されます。
では、インプラント治療で医療費控除を受けるためには、どのような条件や手続きが必要なのでしょうか。
■ 医療費控除の対象期間と対象額
医療費控除の対象期間は、1月1日から12月31日までの1年間です。この期間に支払った医療費のうち、保険金などで補填される金額を差し引いたものが、医療費控除の対象額となります。
ただし、医療費控除の対象額には、所得に応じた一定の金額が差し引かれます。この金額は、その年の総所得金額の5%か10万円のうち、小さい方となります。例えば、総所得金額が200万円で、医療費が50万円だった場合、対象額は50万円から10万円を引いた40万円となります。
■医療費控除の申請方法と必要書類
医療費控除を受けるには、確定申告を行う必要があります。確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの期間に、自分の住所の所轄税務署に提出します。ただし、医療費控除は、直近1年だけでなく、5年前のものまで申請することが可能です。これまでこの制度を知らなかった方でも、この機会に過去の医療費をチェックしてみましょう。
◎確定申告に必要な書類
・確定申告書
・医療費控除の明細書
・源泉徴収票
・医療費通知
確定申告書は、国税庁のホームページからダウンロードできます。医療費控除の明細書は、税務署や国税庁のホームページから書式をダウンロードできますが、税務署などで手に入れることもできます。医療費通知は、健康保険組合などから交付されるもので、医療費控除の明細書の代わりに使えます。源泉徴収票は、会社からもらったものを用意します。
これらの書類を揃えたら、郵送するか、税務署に持参するか、国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用してオンラインで提出します。e-Taxを利用するには、事前に登録が必要です。
【インプラント治療を受けるなら医療費控除を活用しよう】
インプラント治療は、歯の機能や見た目を改善する効果的な方法ですが、費用が高額になるというデメリットがあります。しかし、医療費控除を利用すれば、費用の一部が還付されるため、負担を軽くすることができます。
そして医療費控除を受けるには、自分で確定申告を行う必要がありますが、必要な書類を揃えて、正しく手続きをすれば、簡単に申請できます。インプラント治療を受ける方は、ぜひ医療費控除を検討してください。
