現在多くの歯科医院でホワイトニング治療が受けられるようになってきました。
しかしその中で、ホワイトニング治療によって歯がしみてしまう方がいらっしゃいます。ホワイトニングで起こる知覚過敏とは、一体どのようなものなのでしょうか。
どのように対処すればいいかも合わせて解説します。
目次
■ホワイトニングの薬剤について
◎過酸化水素と過酸化尿素
オフィスホワイトニングは過酸化水素、ホームホワイトニングは過酸化尿素という薬剤を使用しています。
基本的にオフィスホワイトニングの方が強い薬剤、ホームホワイトニングの方が弱い薬剤を使用しています。
これはその場で歯科医師が対処できるか、ご自宅にお持ち帰りいただける薬剤かどうかなどが関係しています。
◎エナメル質と象牙質に作用
ホワイトニングの薬剤は、エナメル質と象牙質に作用して歯を白く脱色します。
エナメル質に対しては表面を変質させ、中の象牙質が外に透けにくくします。
象牙質に対しては直接脱色するような働きをします。
この二つの作用により、本来その人が持っている白さよりも歯を白くすることができるのです。
◎急速に白くするほどしみやすい傾向
その作用の仕方から、急激に白くする方法の方が、知覚過敏が起こりやすい傾向にあります。
ホームホワイトニングよりはオフィスホワイトニングの方が知覚過敏が起こりやすいといえるでしょう。
またホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを両方同時に行うデュアルホワイトニングは、特にしみやすいといえます。
■ホワイトニングでしみる口腔内の状態とは?
◎歯槽骨が吸収している
ホワイトニングで知覚過敏を起こしてしまう口腔内の状態はいくつかあります。
まず通常の知覚過敏と同じように、歯槽骨が吸収し、歯肉が下がっていると知覚過敏を起こしやすいといえます。
むき出しになった歯根部分にホワイトニング剤が触れることで痛みが出ます。
また歯槽骨が下がっているということは、歯周ポケットが深い状態ともいえます。
歯周ポケットの内部にホワイトニング剤が入り込み、そこから知覚過敏を起こしてしまう可能性もあります。
◎ひび、割れ、欠けなど
歯には、気づかない程度のひび、割れ、欠けなどが起こっているケースがあります。
ここにホワイトニング材が入り込むことによって知覚過敏が起きます。
患者様ご本人にはそのひび割れ欠けなどを認識できないことから、なぜしみているのかわからないというケースもあります。
◎むし歯
むし歯治療もきちんと終了していないと、ホワイトニング剤によって知覚過敏が出る原因になります。
ホワイトニングを行う前にきちんとむし歯治療を終了させておきましょう。
■もしホワイトニングで知覚過敏が出たら
◎歯科医院への相談、処置について
もしホワイトニング中に知覚過敏が出たら、すぐ歯科医院に相談しましょう。
オフィスホワイトニングだと、歯科医師がすぐそばにいるため知覚過敏が出ても対処が早く安心できます。
・むし歯やひびなどの処置を行う
歯科医院ではむし歯やひびなどの処置を行います。
・濃度の調節など
またオフィスホワイトニングだと、その場でホワイトニング剤の濃度を調節することもできます。
もし我慢できないような強いしみがある場合は歯科医師に知らせ、濃度調節してもらいましょう。
◎ご自宅での対処法
・刺激を避ける
ご自宅で知覚過敏が起こってしまった場合は熱いものなどの刺激物を避けましょう。
刺激によって神経が過敏になってしまうとさらに症状を強めてしまう可能性があります。
・フッ素入り歯磨き粉の使用
フッ素は象牙細管という神経と繋がっている小さな穴に入り込み、神経への痛みの伝達をブロックする効果があります。
フッ素入り歯磨き粉を毎日使うことで、少しずつしみが起こらなくなる可能性もあります。
■もしホワイトニングで知覚過敏が出たら
オフィスホワイトニングはどちらかといえばしみやすいというデメリットがありますが、歯科医師がそばにいることになってすぐ対処できるというメリットもあります。
ご自宅にいるときに痛みが起こってしまうのが心配な方は、オフィスホワイトニングを選ぶと良いかもしれません。