歯科医院で行う、歯のクリーニングとホワイトニングの違いが分かりにくいという方はいらっしゃいませんか。
歯のクリーニングとホワイトニングには明確な違いがあります。
それぞれの違いについて、落とせる汚れの種類なども含めて解説します。
目次
■クリーニングとホワイトニングの違い
◎クリーニングとは
クリーニングとは、歯の表面の汚れを落とすことを指します。
そのために内部から脱色などを行うことは難しく、得られる歯の白さはその方が本来持っている白さまでとなります。
歯科医院専用の研磨剤を使用し、ご自宅では落とせない歯の表面にこびりついた汚れを落とすのがクリーニングです。
市販の歯磨き粉などでホワイトニング効果をうたったものがありますが、ホワイトニング用の薬剤は歯科医師しか取り扱えないため、基本的に患者様ご自身で手に入れることができるのは、クリーニング効果のある製品だけとなります。
◎ホワイトニングとは
ホワイトニングとは過酸化水素などの薬剤を使い、歯の表面の変質させたり、歯の内部から脱色を行ったりすることによって、歯を白くするための方法です。
この方法では当然患者様が持つ歯本来の白さよりも、さらに歯を明るく白くすることができます。
■クリーニングで落とせる汚れ
◎プラーク
歯の表面についてしまったプラークは、しばらくするとバイオフィルムという、細菌同士がしっかりとスクラムを組むような形態に移行します。
このような状態になると、ホームケアでは落としにくくなります。
歯科医院でクリーニングを受けると効率的にこの汚れを落とすことができます。
◎歯石
歯石は歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石に分けられますか、どちらも強く歯面に付着しているため、ご自宅でのブラッシングで落とすことはできません。
歯科医院でスケーリングを行い落とす必要があります。
◎ステイン
ステインとは歯の表面についた着色のことをいいます。
ワインやチョコレートなど、ポリフェノールが多く含まれた食品群は、歯に着色を起こすことで有名です。
これらの着色は一度ついてしまうとブラッシングで落とし切ることはできません。
◎たばこのヤニ
ステインと同じく、タバコのヤニにもご自宅でのブラッシングで落とすことは難しいといえるでしょう。
喫煙されている方用の歯磨き粉なども市販されていますが、やはり歯科医院できちんとクリーニングを行うほうが効果があります。
■ホワイトニングでないと落とせない着色や変色
◎加齢による黄ばみ
ホワイトニングでないと落とせない着色の一つとして、加齢による黄ばみがあげられます。この加齢による黄ばみには、二つの原因があります。
一つは、エナメル質自体が薄くなり後ろの象牙質が透けてしまうこと、もう一つは象牙質自体の色が濃くなってくること、この二つの原因によって歯が黄ばんで見えます。
ホワイトニングを行うと、エナメル質表面に変質が起こり、内側の象牙質が透けにくくなります。
また象牙質の色自体の脱色も行えるため、加齢による黄ばみにも効果があるのです。
◎歯自体の色の脱色
そのような理由から、ホワイトニングでは本来持っている歯の色以上に、歯を白くすることができます。
元々の歯が黄ばんでいて気になるという方にもおすすめです。
◎テトラサイクリン歯
ホワイトニングは、軽度であればテトラサイクリン歯にも効果があります。
テトラサイクリンは昭和40年代に使われていた抗生物質で、これを歯胚の形成時に摂取すると、象牙質と結びつき太陽の光に反射して変色が起こる状態になります。
光が当たるほど茶色く変色するため、ホワイトニングでも白くしきれないことも多く、そのような場合はラミネートベニヤやその他補綴物などの選択肢を選ぶ必要があります。
【汚れを落とすのがクリーニング、歯自体を白くするのがホワイトニング】
基本的に汚れを落とすのがクリーニング、歯自体を白く脱色するのがホワイトニングです。クリーニングは普段の定期検診で行えるため、歯を自分本来の色に保ちたい方は定期検診に通えば、その効果を得ることができます。
ホワイトニングは全額負担の自由診療となりますが、加齢やその他の歯の着色などでお悩みの方にはおすすめです。