インプラント治療は一般に大きく広がり、現在日本の30%以上の歯科医院でインプラント治療を受けられるといわれています。
しかしどんな歯科医師でもインプラントの埋入手術を行えるわけではありません。
どのような歯科医師がインプラントの手術を行えるのでしょうか。
■インプラント治療を行うためには
◎セミナーに参加する必要がある
インプラントを行う歯科医に対しては認定医の制度が設けられています。
しかし、そのような認定資格を取るための勉強も行った上で、インプラント治療を行うためにはさらにそれぞれのメーカーのセミナーに出て、使用許可書をもらってインプラント治療を始めなくてはなりません。
◎その後も勉強が必要
極端にいえば、セミナーに参加すればその次の日からそのメーカーのインプラントを使った治療は行えますが、その後もさまざまな勉強が必要となります。
■インプラント専門医とは
◎専門医という資格がある
厚生労働省から公式に認められているインプラントの資格は「公益社団法人日本口腔インプラント学会」が発行しているものです。
正しい知識と経験を持つ歯科医師が専門医として認定されます。
またさらに経験を積むと指導医という立場になります。
従事している年数が5年、10年などの違いがあります。
◎インプラント専門医の条件
日本口腔インプラント学会で専門医と認められるには、まず下記の条件を満たすことが必要となります。
引用:https://www.shika-implant.org/certification/specialty/kitei.html
口腔インプラント専門医を申請する者は、申請時に下記の各号全てに該当することを要する。
(1)日本国歯科医師の免許を有すること。
(2)5年以上継続して正会員であること。
(3)研修施設(専門医を養成する「指導医」が在籍している研修施設)に通算して5年以上在籍していること。
(4)日本歯科医師会会員であること。
(5)専門医教育講座を3回以上受講していること。
(6)本会学術大会及び支部学術大会に8回以上参加していること。
(7)本会専門医制度施行細則(以下、「施行細則」という。)に定める所定の研修を終了していること。
(8)口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦が得られること。
(9)施行細則に定めるインプラント治療の経験(治療が終わりメンテナンスへ移行して3年以上経過した症例を、20症例以上経験していること。さらに、多数歯欠損(1顎7本以上欠損)症例で全顎にわたる症例を3症例以上含んでいる。)があること。
(10)ケースプレゼンテーション試験に合格していること。
(11)本会学術大会又は支部学術大会において2回以上発表を行っていること。
(12)口腔インプラントに関する論文を本会学会誌又は委員会が認める外国雑誌に1編以上発表していること。
2 前項にかかわらず、委員会が申請資格を有すると認めた者。
このようにさまざまな条件をクリアした歯科医師だけが日本口腔インプラント学会の専門医として認められます。
またこれらの条件をクリアしても、勉強は続けなくてはいけません。
日々新しくなる素材や技術についていけるようにインプラント専門医は日夜努力を続けています。
◎インプラント専門医を探すには
インプラント専門医がいるかどうかを探すにはお近くの歯科医院のホームページを探してみるのも良いでしょう。
また日本口腔インプラント学会のホームページ上でも指導医専門医の一覧を見ることができます。
都道府県ごとに探せて便利です。
安心してインプラント治療を受けたい方は一度探してみてはいかがでしょうか。
【安心、安全な治療を受けるために】
さまざまな場所でインプラント治療を受けられるようになったことから、患者様はどこで治療を受ければ良いのか迷ってしまうかもしれません。
ライフスタイルなど、その方に合った条件で考えることが必要ですが、安心安全のためには、ぜひインプラント専門医がいる歯科医院で治療を検討してみてください。